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Google検索の存在を危うくすると噂のChatGPTとは?

はじめに ChatGPTとは?

「Google検索が不要になる」とネットで噂されているChatGPTについて、2023年1月現在のリポートを残しておきます。

ChatGPT(チャットジーピーティー、Generative Pre-trained Transformer)は、OpenAI(オープンエーアイ)が2022年11月に公開したチャットボットです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ChatGPT

マイクロソフトがOpenAIに100憶ドル(約1兆3000億円)投資するとのニュースも報じられています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1861e5c1de231b80858fc00983535ac7e4f2cddc

ChatGPTは知りたい事柄のテキストを打ち込むと高度なAIからの返答が得られるシステムで、その返答のクオリティが今までのWebサービスと比べると段違いに高く、ビジネス・教育各方面で話題となっています。
今のところ、ChatGPTは無料でどなたでも利用ができますので気軽に取り組めるでしょう。

このChatGPTでできることや私たちの社会・日常に与えるインパクトなどをまとめました。

このブログ記事の内容はYouTubeに動画としてアップロードされていますので、動画の方が学びやすい方はご視聴してみてはいかがでしょうか。

 

目次

 

ChatGPTでできること

知りたいことをチャット窓にテキスト形式で質問して使います。


ChatGPTの管理画面内で操作する(上記赤枠のチャット窓からテキストを入力する)ことになりますが、今までのWeb検索よりもより自然な対話形式で答えが得られます。AIからの回答はまるでタイプライターで打ち出したような演出の仕方で、文字を出力している間にも次の文章を考えているのだろうかとイメージが膨らみます。まるで対人コミュニケーションしているかのような楽しさを味わえる体験が新鮮です。

 

各種用語の意味

用語の意味を調べるとき、今までのWeb検索では用語を解説したWebページやウィキペディアなどのページが表示されるなどして、利用者がそのページへのリンクをたどって意味を調べますが、ChatGPTでは自然な会話形式で論理的に無駄をそぎ落とした説明がChatGPTの管理画面内に返ってきます。

例)量子コンピューティングを簡単に説明して下さい

 

アイディア出し

ChatGPTに対するアイディア出しの質問はクラウドサービスの大きな眼目である「集合知」の恩恵を受けられます。
一人では即座に思い浮かばない複数のアイディアをChatGPTは即座に答えてくれます。

例)10歳の誕生日のクリエイティブなアイディアはありますか?

 

プログラミングコード出力

ChatGPTではプログラミング言語のソースコードを出力できるので、プログラムのひな形を作成したい場合にも活用できます。

例)JavascriptでHTTPリクエストを作成するにはどうすればよいですか?

上記コード出力エリアの右上にある「Copy code」のボタンをクリックすると、ソースコードをクリップボードにコピーすることができます。

 

方程式

数学の数式についても質問できます。

例)微分方程式の数式を教えて下さい

Wordなどのソフトで数式の文字・記号などを入力できないときなどにもChatGPTに出力された文字・記号を再利用するという使い方もできますね。

 

グラフ

グラフを表示するHTMLコードを出力することもできます。

例)2015年から2021年までの東京都の人口を表すグラフを描くHTMLコードを書いてください
ChatGPTで出力された東京都の人口グラフ
上記ページはChatGPTから出力されたソースコードに手を加えたものになります。(架空の数値が出力されていると考え、実際の人口と合致する数値は自分で調べる必要があります)
このように、コードのひな形を作るためにスピーディーな作業ができるのもChatGPTの使いどころと言えるでしょう。

 

アプリ等の使い方や技

アプリの使い方などもChatGPTが教えてくれます。

例)パワーポイントのフッターを編集する方法を教えて下さい

上記はプレゼンテーションソフトのパワーポイントを使うときによく行う操作の一つについて質問してみました。
操作手順を簡潔に教えてもらえます。

これに類似する質問として、表計算ソフトのエクセル(Excel)の関数・VBAマクロを出力させて業務効率化が図れるという内容の動画をTouTubeで発信している方々も見られます。

日常生活のハウツー

生活する上で役立つ各種ハウツーもChatGPTが参考になるデータを示してくれます。

例)おいしい肉じゃがの作り方を教えてください

 

例)スキューバダイビングの資格の取り方を教えて下さい

 

例)就職活動で効果的な面接の対応を教えて下さい

これからは就職活動にAIチャットボットで高度な対策をする就活生が増えるかもしれませんね。

 

論文を書くヒントを得る

論文を執筆する上で、ある程度編集方針をまとめて考えることができます。

例)渡り鳥と伝染病に関する論文の要旨のヒントをください

多くの学生が高度なチャットAIを活用して論文の完成度を高めることは想像に難くありません。

 

社会問題について考察する

様々な社会問題について、賛成意見や反対意見をまとめて知りたい場合にもChatGPTが活用できます。

例)たばこ税を高くすることについて、賛成派と反対派の意見を5点ずつ挙げて下さい

上記の出力を読むと、ディベートなどに活用できそうです。

 

 

歴史的な知識を得る

歴史の基礎的な知識を質問してもある程度は返答してくれます。

例)日露戦争が起きた原因を教えて下さい

こういうやり取りのデータから、自分が気になるポイントを掘り下げて歴史を学ぶ楽しさを得られる子供や大人が増える可能性を感じさせます。

ただ、歴史の詳しいデータはまだChatGPTが得意としていない点も多いようです。
例えば、以下の質問には的確に答えられませんでした。

例)桜田門外の変が起きた原因は何ですか?

そこで質問を変えてみました。

例)井伊直弼が暗殺された桜田門外の変の原因は何ですか?

この例のように、質問の仕方を変えることによって期待した回答を得るステップを踏む場合もあることが分かります。

 

語学学習

多言語に対応しているChatGPTの性質を利用して語学学習にも使えるという動画をYouTubeなどで散見できます。

例えば英語を学びたい場合、ChatGPTの言語設定を英語にして、ChatGPTと英語で意見を交換することを楽しんだり、海外旅行のために外国の観光のことを英語で質問してみるなどの活用例が見られます。

 

ChatGPT活用に求められるスキル

ChatGPTを効果的に使いこなすためには主に以下の要素が必要になります。

質問力

一つの課題に対して繰り返し具体的な答えを引き出すための質問力が求められます。
浅い質問には浅い答えが返されてしまう傾向にあるようです。
複数の大学教授がChatGPTの実力を推し量る様子を観察すると、教授らは掘り下げた質問を繰り返しています。
それは理系の教授も文系の教授も、それぞれの専門分野についてどの程度鋭い意見が返せるかを見ています。
そして教授らは現時点では「ChatGPTはこのレベルの知見は返すことができる」という境界線を把握し、自らの授業に役立てようとしているようです。

 

専門知識

ChatGPTへの質問は具体的な投げかけが有効です。
そのためには質問者がその分野に詳しい知見がないと、不正確な返答内容を見抜けません。
そのまま他者に間違った知識を拡散させてしまう可能性もあるので、注意が必要です。

 

バランス感覚

ChatGPTからの返答を基に、偏った意見の引き出し方や解釈をするとトラブルやネット炎上の元になる可能性があります。
公平性を意識しながらChatGPTを使いこなすことが肝要かと思われます。

 

コードの修正能力

プログラミングコードやマクロをChatGPTに出力させたものは、そのままでは使えない(動かない)こともあります。
コードの正しい表記の仕様を質問者が心得ていなければ、実際に動くコードに修正できないことになりかねません。
コードの基本的な知識を身につけた上でChatGPTにコードを書かせるのが効果的と言えます。

 

ChatGPTの性質と注意点

ここまでChatGPTを利用した筆者なりにChatGPTの性質やクセなどを見て感じたことをメモしておきます。

ある程度のモラルを持った返答が得られる

ChatGPTは偏った意見の出し方を避けて、最後に公平性を促す言葉を添えてくることが多いので、ユーザの偏向行動にある程度ブレーキをかける効果は感じられます。

同じ質問内容でも返答が変わることがある

気になることは何度も質問してみると(繰り返したり時間をおいて質問など)今までと違った角度の知見を得られる可能性があります。

2021年までのデータに基づいている

ChatGPTが探索するデータは2021年までに収集されたものなので、つい最近のことを論じたり未来予測には向いていません。

以上の注意点を踏まえてChatGPTを活用すると、より効率的に効果的に役立つデータが得られることでしょう。

 

世の中に与えるインパクト

ChatGPTの登場は各方面で話題になっています。特に教育とビジネスの舞台で大きな動きが出てくると予想されます。
マイクロソフトの製品、WindowsOSやOfficeソフト等にこのChatGPTの機能が標準搭載される日が来るかもしれません。

また、この高度なAiチャットボットについては現時点でGAFAMの一角のマイクロソフトが一歩リードしましたが、ライバルたちも巻き返しを図ることでしょうから、この分野は競争原理が働いて加速度的に進歩する可能性を秘めています。

教育・ビジネス界に与えるインパクトを下記に列記いたします。

教育

優等生的な答えの多くをChatGPTで得ることができてしまいます。
教師側は生徒・学生に「何の能力を伸ばしてあげたいのか」を考えて課題を与えないと、「要領よくそれらしい答えを引っ張ってくる能力」ばかりが蓄積されてしまう可能性があります。教え方、教材の工夫に迫られることでしょう。
ChatGPT等の高度なAIチャットボットを使いこなすスキルを「読み書き計算能力」に並ぶものとして教える側(教師や親)がいち早く取り込めないと、世の中の進歩を遅らせて世代間の亀裂を大きくする原因になりかねません。

ビジネス

コンサルティング会社などは、このChatGPTをはじめとした高度なAIプログラムがある前提でクライアント企業と接しないとミスマッチになってしまう可能性が高くなると思われます。また、これにより淘汰される企業も増えることでしょう。

また、各企業の社内でもChatGPTを上層部が使いこなせないと人材の配置がアンバランスになる可能性があります。
特に「ChatGPTなどを活用するのがあたりまえ」という若い世代がこれから社会に登場してきますので会社の在り方を見つめなおす機会と捉えることもできます。

メタバース空間との親和性も気になるところです。
3Dゴーグルの中でAIのデジタルツインを相手に音声応答で没入する人たち…まるでSF映画のような近未来がもうすぐそこに待っているのかもしれません。

 

ChatGPTの音声入力方法

ChatGPTのテキスト入力枠にキーボードからテキストを入力する方法を主に論じてきましたが、音声入力の方法もいくつかご紹介いたします。

Windows10では基本的に日本語で音声入力ができない仕様になっています。

Windows11では、テキスト入力枠にカーソルを点滅させた状態で「Windowsキー+H」で日本語音声入力ができます(下の画像を参照)。この場合はPCにマイクがつながっている必要があり、ノートPCでの操作に向いていると思われます。

 

スマートフォンでは、ブラウザが音声入力を許可している設定になっていれば音声入力でChatGPTとやりとりができます。

以下では筆者所有のiPhone14での操作方法例です。

▼標準ブラウザアプリ「サファリ」でChatGPTにログインし、画面右下のマイクボタンをタッチする。

▼音声入力を有効にしますか?のダイアログで「音声入力を有効にする」をタッチ

▼スマートフォンのマイクに向けて質問を声で入力する

▼ChatGPTが質問を正しく認識して返答していることを確認

 

ChatGPTの始め方

ChatGPTをこれから活用したい方のために、利用開始方法をご説明します。

まず、以下のリンク先の画面から「ログイン(Log in)」と「サインアップ(Sign up)」のボタンが示されますので、初めての方は「サインアップ(Sign up)」を選びます。

https://chat.openai.com/auth/login

ChatGPTのアカウントを作成するために、「マイクロソフトアカウント」、「Googleアカウント」、「メールアドレス」のいずれかの認証方法が選べます。確実に本人確認できる方法を選択してください。スマートフォンへの確認コードや画像パターンを選ぶ画面などで本人確認(ロボットでないことも)が進みます。

あとはChatGPTの画面下にある検索窓のような枠内に知りたい事柄を入力して使っていきます。

PCの操作でしたら、画面左側にChatGPTとチャットのやりとりをした履歴が残ります。ただし、セッションが切れて再ログインしなければならないことがあったり、履歴が探せないことが起きてしまうかもしれません。ChatGPTで得られた重要なテキストやコード類はコピー&ペーストしてワードやメモ帳などほかのアプリに保存しておいた方がいいでしょう。(筆者もセッションがリセットされて混乱した経験があります)

 

テキスト:杉山貴思(G-word代表、日本情報技術協会、次世代人工知能学会事務局長)

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