これからはロボットとIoT、キャッシュレス決済のコンボでお店を展開する時代に!
今回のリポートは、2019年5月16日に行われたIoT R&Dの研究会で取り上げられた先進事例の報告です。
株式会社QBIT Robotics(中野浩也・代表取締役社長)を訪問し、お客様にコーヒーやビールなどの飲食物を提供するカフェロボットシステム「&ロボット(アンドロボット)」のデモを視察しました。
会場の同社オフィスに入るなり、不思議な動作を繰り返すロボット。
実物をデモしてプレゼンしていただいたのは中野社長です。
タブレット型端末の画面に表示されているメニューをタッチして飲み物を注文します。
コーヒーやカフェラテ、抹茶ラテなどがメニューにありますね。
指定の場所に紙コップを置くと、センサーで感知してロボットのアームでコップを取り、コーヒーメーカーのメニューボタンをアームでタッチ、挽きたてのコーヒーを指定の場所(注文場所とは違う)に置いて完了です。
時間にすれば1分あまり。コーヒーディスペンサーが40秒余り待たされますので、ほぼ人のオペレーションと変わらないスピード感です。
なにより、ロボットですので一定のペースで疲れ知らずに動いてくれます。ここがポイントですね。
すでにハウステンボスなどで実証実験が行われ、1日に10万円以上売り上げた実績があるとか。
ブース全体の大きさは2.4メートル四方程度。
狭い入り口のスペースにも配慮され、90センチ幅のドアから搬入・組み立て可能になっており、わずか5時間で設置できるそうです。
決済方法は、電子マネー系(交通系、QUICPay、楽天Edy、WAON、nanaco)に対応しています。
現金でも扱おうと思えば技術的にはできるのでしょうが、それだと「イメージに合わない」のでつけていないそうです。はい、時代の流れですね。ここ大事です。
このカフェロボット、音声案内でお客様に会話を投げかけたり、ディスプレイで顔の表情を映してみたりと、いろいろと細かいところまで作りこまれており、見ていて飽きないですね。AIが働いているので、接客も日々進化させられるとか。
注文を受けていないときにもアームが動いているのは「ダンス」として人の目を引くからだそうです。
ちびっこが目をキラキラさせて寄ってきそうですね。
そんな性質もあり、アニメと声優の声を融合してお子さんたちに受けるカスタマイズも引き合いがあるそうです。私はレゴとの相性がよさそうに感じました。
人が集まる場所になるので、デジタルサイネージを仕込めば広告収入を得られるビジネスモデルもできそうですね。
ビールサーバーなども対応できているので大人のバーとしても機能させられます。
この先は飲み物だけでなく、カレーライスやうどんなどの料理をだせるようになるそうです。
コンパクトなスペースに設置できるので、企業の食堂や病院の待合室など様々な場所に展開できそうです。
設置できるか気になるオーナーとしては「でもお高いんでしょう?」という疑問が出てきますよね。
はい、そこのところツッコんで聞いてみました。
一式を購入するとなると1,800万円から。
2019年6月から一般に販売されるそうです。
1日10万円売り上げるポテンシャルなら高くないという見方もありますが、やはりまとめての出費は気になるところ。
今後はレベニューシェアでの提供も検討中とのこと。イニシャルコストを抑えて売り上げに対する割合で利用料を支払う方式です。これなら納得するオーナーも多いのではないでしょうか。
これからの飲食は、ロボットとIoTとキャッシュレス決済のコンボで考える時代が到来したな、と実感させられた一件でした。